Wireを使ってみよう

公開日

Wireはオープンソースで開発されている、セキュアなメッセンジャー。

WEB版(Chrome, Firefox, Edge, Opera)、iOS版、Android版、macOS版、Windows版、Linux版が用意されており、様々な端末で利用できます。

テキストメッセージの他、画像送信はもちろんオーディオメッセージ等も送信できます。さらに、ビデオ通話も出来るので、非常に利便性が高いです。グループトーク画面共有機能も備えています。

iOSのメッセンジャーのように手書きメッセージ(イラストとか描くやつ)も搭載されていて、なかなか面白い取り組みだと思います。

デザイン性も高く、普段使いのメッセンジャーとして優秀です。

一般的なメッセンジャーと違い吹き出しで色分けされないので、見づらいと言う意見も有るようです。

もちろん広告は表示されません。Google製品の様に、ユーザプロファイリング等も行われません。全ての通信はEnd to Endの暗号化がされています。

比較

セキュアなメッセンジャーを謳うものには他に、TelegramやSignalが有名ですね。これらと比較してみます。

Wire, Telegram, Signalの3つは皆オープンソースで開発されています。

Signalは電話番号登録が必須で、Telegramはアドレス帳へのアクセスを許可しなければ使えません。対してWireはこれらについては任意に選択ができます。

また、グループトークなどを含めた全ての暗号化を行っているのはこの3つではWireだけです。

Signalは米国に籍をおいていますが、Wireはスイスの会社です。Protonmailなど、スイスに籍をおく会社はセキュリティやプライバシー保護に積極的ですね。(これはイメージ戦略の1つです。NSAやCIAが度々話題に上るUSAの印象は悪いですが、スイスは銀行の信頼性・永世中立国であることなどから印象が良いのです)

スイスとEUのデータ保護に関する法律に準拠しているので、ヨーロッパ圏で広く普及しています。日本語対応しています。

さらに、メッセージを後から編集・削除する機能があります。多くのメッセンジャーでは編集も削除も出来ないことが多いので、優位点です。

各デバイスにフィンガープリントが与えられ、正しいアカウントを利用しているか検証したり、End to End暗号化に関してもきちんと検証できるので、他のメッセンジャーよりセキュアです。

機能の優秀性・暗号化への積極性のどちらでも、Wireは優れたメッセンジャーだと言えるでしょう。

暗号化

テキストメッセージと画像の送受信ではProteusというシステムを利用したEnd to End暗号化が施されています。ProteusはGithubにソースコードが公開されています。

音声通話・ビデオ通話は、一般的なWebRTC技術で暗号化されているので、他のメッセンジャーとよく似た暗号化が施されている、ということです。

まとめ

メッセンジャーとしての機能はとても豊富な上に、プライバシー保護に関してもたいへん優秀です。

日本ではLINEの普及がものすごいですね。LINEは昨年夏頃にEnd to Endの暗号化が導入されました。それまでLINEはセキュリティが非常にお粗末でしたので、とてもセキュアとは言えないものでしたが、上場も果たし以前よりはまともになったようです。

しかし政府機関との連携・マイナンバーに関する発表があったので、ますます敬遠すべきメッセンジャーになったような……。様々な法律もできつつありますしね。

今後の動向を注視しつつ、普段利用にはWireを使っておくことをおすすめします。

※ さらに強力に、もっと安全なメッセージ送信を行うのであれば、テキストメッセージだけの別のものを使いましょう。OTRを利用すべきとされていますからね。こんど記事を書きます。

コメント